かんたん入門 ジャズピアノアドリブ&リズム

かんたん入門 ジャズピアノアドリブ&リズム

B5版の小さなペラい本です。初版も1998年と8年前・・でもまぁなかなかエッセンスみたいなのが詰まってて面白い本でした。<<目次>>
第1章 アドリブソロ
step1
アドリブの第一段階としてメロディーをフェイクする方法が載っています。例題は「枯葉」
step2
コードの構成音、スケールによるアドリブ方法
step3
常套句と呼ばれる定番フレーズ(Ⅱ→Ⅴ→Ⅰとか・・・)
よく、Ⅱ7→Ⅴ7→ⅠのⅤ7の部分を代理コードのⅡ♭7にすることがありますが、実はⅡ♭7のリディアンセブンススケールとV5のオルタ-ドスケールは同じ配列なので、どちらのコードでも使えるフレージングが可能だそうです。
step4
4-1.アッパーストラクチャートライアドについて
CM7は上の3音だけみればEmという発想で、フレーズを考えるらしいです。これがもっとも効果的なのがV7で、使えるテンションが多いからたとえばG7の場合だと、A♭m、B♭m、D♭、E♭の構成音が使えるそうです。ちなみにこのときの左手はしっかりと「G7」を感じる押さえ方にするほがいい意味での違和感が引き立つそうです。またリディアンセブンススケールは1度上のコードと弾けばいいらしいので、こちらの方はその場でパッと弾きやすく、明日からでもすぐに実践できそうです。(G7の時にはA→C♯がG7の♯11th,C7の時はD・・・)
4-2.ブルーノート・ペンタトニックについて
3thと7thが♭する1、3、4、5、7のブルーノートペンタトニックを先ほどのアッパーストラクチャトライアドに基づいて、G7の時にB♭マイナーペンタトニックを使うと、ちょうどG7のテンションとコードトーンになるので、このスケールでフレージングが可能。つまり「G7の時にはB♭m」「C7の時にはE♭m」「D7の時にはFm」という、「短三度上のマイナーペンタトニック」と覚えておけばかなりお手軽に使えそうです!ちなみにこれはチックコリアの得意技のひとつらしいので、早速取り入れてめざせなんちゃってチック(。→‿ฺ←。)
4-3.メカニカルテクニック
スケール上の音(またはスケール無視)を規則的に繰り返す方法。

まぁ、いろんなテクニックが紹介されていますが、「ここのコードはこれだから、ああしてこうして」と考えながらフレージングする人はまずいなくて、やっぱり指が覚えるまで「フレーズを引き込む」まなければ実際はゼンゼン使い物にならないということを筆者の方も主張されてます。。

第2章 バッキング
step1
いろんなコードでのヴォイシング方法を紹介
step2
リズムについて、他の楽器(ドラム・ベース)がいる場合と、ソロの場合の方法につ
の説明。バッキングリズムを弾く際にピアノならではの奏法として黒鍵から指を滑らす奏法について説明があります。Dm7で右手をラ、ミ、ラと弾く際、内声に装飾音を加えてミ♭→ミみたいな感じにするといった感じです。実際にレッドガーランドやウィントンケリーなんかが良く使っているそうです!早速取り入れてめざなんちゃってケリー(。→‿ฺ←。)
他の楽器がいないとき(つまりソロ)は、結構大変で、ドラムの「ベーシックリズム」とベースの「低音部」もピアノで表現しつつ、コード感もサポートして、要所のアクセントでメリハリをつけるというプレイが求められるそうですが、やっぱりジャズピアノソロはかなり難しいですね・・・ジャズピアノらしいニュアンス「スキマがある程度ありつつ、隙間だらけにならない」方法として
2-1.オブリガード的にベースラインを加える(左手)
2-2.コードの展開形を加えるドロップ2(4ウェイクローズヴォイシングの上から2つめを一オクターブ下げる)の展開形の連続が効果的だそうですが、とっさにはそんなの絶対無理なので、もうパターン化して繰り返し練習で覚えるしかないですね・・・
2-3.アルペジオを加える(右手)
あと、ランニングベースで左手をずっと弾きながら右手でコード入れのテクニックは一曲とおすと結構しつこいらしいので、曲の途中でちょっと披露するのがいいらしいです。。
付録
リズムアドバイスと練習方法について

とまぁ、メモ程度に内容を書いたつもりが、結構使えそうなテクニックが盛りだくさんでした。エピローグの「楽器の演奏はそう簡単に上手くなるものではないけど、Jazzをたくさん聴いてこつこつ練習して、気づいたら以前は全然弾けなかったことが弾けるようになっていた・・・そんな具合に上達していくので、あきらめずに腰を据えて続けてみてね」というくだりはなんだか自分の演奏にゲンナリしている毎日にちょっとやる気を貰いました(゚-゚)